30 決定的に違う〔音当て〕と〔受験聴音〕
音当てと、音大受験で入試に必ず出てくる
聴音課題との違いですが、
音当てというのは、前後のつながりが関係ありません。
つまり前章での音当てならば、
〔高いミ♭〕と答えても、〔高いレ♯〕はたまた
〔高いファの♭♭〕でも正解です。
一方聴音では〔高いミ♭〕が正解の場合、
〔高いレ♯〕〔高いファの♭♭〕は
不正解となりまた印象も非常に悪いです。
この子は何も感じず、何も考えず、
ただ鳴った音を順次に、音楽のつながりとしてではなく、
断片としてして取っている。
という評価になります。
もし私が採点する立場なら、空欄よりも
点数を下げたいと思うほどです。
そもそも聴音では、
楽典 和声 音楽の進行方向 理論 響きを感じる、
もしくは考えているかを、
音を取ることで 調べる試験
ですから、即物的に、音当てをする時点で
趣旨に反している事になります。
音取りと聴音がはっきり分かれる例題です
四分の三拍子 オール四分音符 8小節
聴音による正解
ドミソ ファソラ♭ ソラ〔ナチュラル〕シ ドドド
ドミソ レ♭ファラ♭ ソファレ〔ナチュラル〕 ドドド
続いて聴音ではなく音取りによる、
下手すりゃ0点すらありうる不正解
ドミソ ファソソ♯ ソ〔ナチュラル〕ラシ ドドド
ドミソ ド♯ミ♯ソ♯ ソ〔ナチュラル〕ファレ ド〔ナチュラル〕ドド
上も下も、ピアノの鍵盤上ではまったく同じですが、
聴音試験で、譜面に下が書いてあったのなら、
悲惨な結果となります。
何故二小節目ソ♯ではないのか?
何故六小節目ド♯ミ♯ソ♯ではないのか?
答えられますか?
ここがとっても大事な、判断基準になります。
ミニ解説
二小節目がラ♭なのは、c-mollからの借用で、
モールドゥアー扱いでWの和音だから。
六小節目がレ♭ファラ♭なのはUの和音のかわりに、
ナポリ和音を使用しサブドミナント和音として使い、
次のドミナントのXに向かっているから
と、このように、出題する側は、何を感じているかを非常に、
重点をおいている問題が多いです。
逆に鍋の音がわかる程度で、満点が取れるような問題は、
受験聴音ではまず出てこない、と思ったほうが良いです。
ですから音当てよりも先に、
調関係 和声の動き 和音の種類 楽典
等をもうちょっと早いうちから、触れてもいいと思うのですが、、、
どういうわけか、食いつきの良い、パット見のインパクトが
強いので、絶対音感はもてはやされていますが、
絶対音感が無くて悩んでいる方は、全然心配要らないと
思います。
最後に余談ですが、絶対音感が使われだしたのは、
実は潜水艦のソナー音の敵味方の識別、、、、
音楽とは、違うところで使われだしたようです。
ですから無くても、あまり気にしなくて良いと思います。
むしろ音取りよりも、聴音が出来るような、
知識入れ〔楽典や和声〕のほうが
大事かと。
ちなみに私は、絶対音感はありませんし、
鍋の音が取れない事で、演奏に困ったことは無いですw
次章 31 本番でやる事をピアノで練習すべし
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