87 受験生の天敵 調判定は何のためにやるのか?
今回は、音大受験の楽典で必ず出てきて、
そしてほとんどの人が、楽典の試験で一番嫌いと、
口をそろえる【調判定】について
先ず調判定とは、曲の途中部分【完結】していない
(まれに優しい問題だとガッツリ完結しているときもあります)、譜面が出てきて、
その部分が何調か答える試験です
なぜ嫌いか聞くと大体同じ答えが、かえってきます。
【覚えることが多い】
なるほど、確かに楽典の本を開くと、調を判定する方法のページに
法則1 跳躍している音は、その音階の和音。
法則2 2度上行下行して変わらなければ、音階固有音。
、
、
、
法則10くらいまであるかな
文字にされると、二度見三度見しないと、
ピンと来ない日本語で長々と難しそうに
法則が、書かれています。
たしかにこれらを丸暗記して、作業的に解くのは苦痛です。
しかしこの方法を使って解くのはあくまで、最終手段と考えてください。
どうしてもわからないと言う時に、使う苦肉の策で
法則を覚えるのは最初にやる作業ではないのです。
そもそも調判定の試験をする意義とは何なのか?
この試験で何を試そうとしているのか?
を考えてみましょう
最初に、調判定の目的は、その調がわかるかではありません。
もちろん結果としてわかる訳ですが、本当の目的は
【Iの和音】がわかり、そこに向かって旋律の和声を感じることができる
又は、その手掛かりをつかむ方法を、
知っているかどうかです。
そしてこれは自分の演奏に直結してくる問題なのです
もしわからないのであれば、
あなたは演奏する曲で、調号がないと何調かわからない人であり、
さらには調号がそのままで転調されると、
気が付くことができない、と言っているようなものなのです。
例えば調合はF-durの曲で調号はそのまま(実際よく出てきます)
C-durに転調しサブドミナントとしてIVが出てきているのに、
奏者はF-durのまま考えていて、トニックのIつもりで演奏していたら
とんでもない演奏になるのは容易に想像できると思います。
実技の曲は普段の先生の入れ知恵レッスンによって、
そんな事態にならなかったとしても、
初見で出てきた、譜面を調判定させることによって、
この子は普段から和声を感じているか?、あるいは自力で和声分析する
すべを持っているかどうか
ボロが出ないか試しているのです。
話を戻して、調判定をする際、もし和声を感じているなら、
長ったらしい法則を覚えずとも、本来わかるのです。
今回是非試してもらいたい、
法則なしでもわかるようになる、普段からやってもらいたい
その手っ取り早いやり方が、
その曲の続きを自分で作曲して曲を終わらせる。
もし頭の中でならなかったら最初は音を出してもいいと思います。
そしてその譜面を、終止するよう、続きを作曲してください。
曲を終わらせると言う事は、最終的に機能和声の、Vドミナント→I
トニックで終わることになりますから、
いやでも調判定になります。
そして完成したものを後から法則で確認する、
という順番で普段から、取り組んでみてください。
最終的には、法則など思い出す暇もなく、何調かわかるようになると思います。
そして普段から実技の曲は、最低でもV→Iのとこだけでも、和声分析しておくと
調判定の役に立つと思います。
なぜなら音楽は大概ドミナントのV→トニックのI
で終わるのですから。
くれぐれも、譜面だけ見て、音も鳴らさず、頭でも鳴らさず、
法則のみで解くのはやめましょう。
この自分で曲を終わらす作業は、短くても創作活動ですので、楽しいものです
このやり方で、少しでも調判定の苦手意識が、
なくなってもらえれば幸いです。
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